ニキ・ド・サンファル&村上隆

 今日は2つの展覧会に行ってきました

ニキ・ド・サンファル

 1つ目は国立新美術館で開催中のニキ・ド・サンファル展。

 前半は少し暗め。日曜美術館でもやってたが、幼少期に家庭で問題があったようで、それを表すようなドロドロとした表現が続いた。

 変わって後半はナナシリーズでとっても明るい感じに。僕はこちらの方が見てて楽しかった。ナナは現始美術のような力強さとポップな色使いが融合しており、とても現代的なアートだった。マティスのダンスやジャズシリーズを思わせるような身体の表現も感じた。いろいろとルーツはありそうだが、妊婦をモチーフにしたのはニキのオリジナリティだろう。妊婦の大きな胸や腰回りを抽象化、強調したナナの形態はニキでこそ生み出せたもの。

村上隆

 2つ目は森美術館で開催中の村上隆五百羅漢図展。

 最初は村上隆の最近の作品と、芸術新潮で行っていた絵合せの作品。これらが五百羅漢図につながるといったアプローチが見られて、展覧会としても上手だった。

 中盤からは五百羅漢図。作品のボリュームと多彩な表現に圧倒される。羅漢の表情が面白い。また、羅漢のヒゲや眉毛などを漂わせる表現がおもしろかった。ミュシャは髪を使って絵を装飾していたが、村上隆は眉毛や鼻毛を使う。面白い。

 中間地点で五百羅漢図の制作過程の紹介があるのだが、こちらもすごい。限られた期間で大きな作品を作るので、美大生を何十人も集めて24時間制で制作したのだという。村上隆には芸術家としての実力の他にも、プロジェクトマネージャー的な力や経営者的な能力にも驚かされる。トップランナーというのはすごいんだとただただ圧倒される。